欧州フットボールの株式上場に関する考察(2)
2008年07月03日 (サッカーコラム)

欧州フットボールの株式上場に関する考察(2)

ロンドン証券取引所、通称「LSE」は、1801年に設立され、「東京証券取引所」と「ニューヨーク証券取引所」に並んで「世界三大証券取引所」に挙げられている。現在、英国のフットボールクラブは18クラブがメインマーケット、「AIM市場」(新興企業向け市場、東証のマザーズに相当)、OFEX等に上場或いは店頭公開している。国別で見ると、英国のプレミアリーグが7クラブ(2006年8月30日現在)と最も多く、逆にスペインは0。「レアル・マドリード」や「バルセロナ」が株式上場に興味を示した事も確かにあったようだが、どちらもソシオ(会員)制度のもとで運営しているため、ソシオの同意を得る事が出来なかった為と言われている。フランスは、法律によりフットボールクラブは上場することが禁止されていたが、現在ではスタジアムを自己保有するクラブのみ株式を上場できるよう法律で緩和された。英国ではプレミアシップと呼ばれる一部リーグからDivision(ディビジョン)と呼ばれる四部リーグまでの合計92クラブの内、86クラブが慢性的に赤字に苦しんでいると言われている。また、23のクラブは、現に協会の管理下に置かれている。イタリアの「ASローマ」や「ラツィオ」や「パルマ」、ドイツの「ボルシア・ドルトムント」などのビッククラブで且つ上場企業であっても、かなりの経営難に直面していると言われている。

これは様々な理由が考えられるが、最初はインフラ整備を行うための資金調達であり上場がやがては「チャンピオンズリーグ」で勝利を手にするための資金調達へと性格を変えていき、近年では高給取りの選手たちへの支払いに悩まされる、という状況をつくり出していることがまず挙げられる。現在では、利益の全てを選手の給与支払いに充てインフラ設備に充てる予算すらないところもある一方で、株式による資金調達に見切りをつけたクラブも実は少なくない。事実、英国の「ボルトン」と「リーズ」、スイスでは「グラスホッパー・チューリヒ」が実際に株式市場から去った。が、その一方で、新規参入してくるクラブもある。2006年から過去6年間の間で上場したクラブの中では、トルコの4つのクラブが目立つ。ジーコ前日本代表監督がワードカップドイツ大会後すぐさま監督に就任した「Fenerbahce Sportif Hizmetler(フェネルバフチェ)」、クラブ創立100年を超える「Besiktas Futbol Yatirim(ベシクタシュ)」、「Trabzonspor Sportif Yatirim(トラブソンシュポール)」、2000年のUEFAカップで準優勝を果たし、日本代表選手の稲本選手が2006年に移籍したことでも知られる「Garatasaray(ガラタサライ)」は、上場後いずれも経営が軌道に乗っている様子だ。各社ともに関連商品を取り扱う子会社などを立ち上げ、上場させた事が成功に結びついているからだ。「フェネルバフチェ」は3,000万人とも言われる信者に愛され、2006/07シーズンは135億円とも言われる巨額な予算を組んでチャンピオンズリーグとUEFAカップを狙っていた。しかしながら、肝心のクラブは相変わらず移籍金や選手の給料の支払いに大わらわであることは否めない。「ガラタサライ」は、ホームスタジアム「アリ・サミ・イエン・スタジアム」を改築する計画が始まっている中、選手への未払いが起きて一説によると既に破綻寸前とすら言われている。株式を上場するということは、当然に経営を透明にするという事になるのだが、怪しげな取引、腐敗、審判による試合操作などは、ある意味フットボール界の常識とさえ言われている。(第3回に続く)


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カテゴリー:サッカーコラム

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