» モウリーニョが去ったチェルシー ~08 Champions League準々決勝
今年のチャンピオンズリーグ(CL)は、僕は初めからチェルシーとバルサの決勝と予想していた。チェルシーが敵地トルコに乗り込んで行われた1st legは、2-1でチェルシーが落としている。試合は見ていないが、後半に2点取られる逆転負けだったようだ。フェネルバフチェを率いるZicoの采配には何ら興味はないが、負けたことが未だ信じられない。前回のW杯の日本代表初戦のオーストラリア戦の大敗以降、絶対に監督のZicoは認めないと決めている。サッカーは監督の采配で大きく左右される。が、監督がプレイをするわけではない。プレイヤーだったZicoを尊敬することはできるが、監督のZicoをビビる必要はない、とGrant監督以下全員に言いたい。相変わらずチェルシーのサポーターが何種類もの応援歌を叫んでいる。横浜FCには、「ヨ・コ・ハ・マ!! ヨ・コ・ハ・マ!!」と(ただ)叫ぶ一種類のものしかないのが本当に残念だ。黄色のユニフォームを着込んだフェネルバフチェのサポーターがゴール裏半分に集まってる。結構、沢山きている。

試合前のピッチの風景。
チャンピオンズリーグのアンセムが響き、決戦の始まりを告げる。
19:45、キックオフ。
チェルシーは、Drogbaのワントップ。サポーターが一斉に青い旗を振っている。いい雰囲気だ。フェネルバフチェの布陣にRoberto Carlosは見当たらない。何となくフェネルバフチェの選手皆が消極的な感じがする。アウェイの雰囲気に呑まれているのか。と思っていたら、いきなりLampardのクロスにBallackがヘッドを浴びせて一点をもぎ取った。未だ試合が開始されてから4分程度しか経過してない。13分、フェネルバフチェのRoberto Carlosに風貌が似ている20番のAlexが浮かしたフリーキックをゴール前に放り込む。が、得点には結びつかない。フェネルバフチェが段々落ち着いてきた。27分にチェルシーのキーパーが何故か交代。足を引きずっていたので怪我をしたのか。またしても、フェネルバフチェがフリーキックを得るものの、FW陣があわせきれない。40分にチェルシーのEssienが3人を抜いて一気にドリブルで駆け上がり、全員が一気にゴール前に襲い掛かる。チェルシーの攻撃は、すさまじい。これがモウリーニョの置き土産なのか。チェルシーの攻撃の起点からボールが流れるはじめると、もの凄いスピードでBallack、Lampard、Joe Coleなどが走りこみ、全員が全員のことを感じていることがわかる。「流れる」という表現がピッタリくる。おそらく、こういったパターンになるとチェルシーの攻撃する組織力が現在欧州でNo.1と言ってもいいのではないかと思う。
後半が開始される。
チェルシーが中々フェネルバフチェを崩しきれない。彼らもアウェイのこの雰囲気の中でよく守っている。77番のGokhan Gonulあたりは走りっぱなしだ。スットュットガルトで何も出来なかったにもかかわらず、最近後半に強いといわれているZico。どんな攻めを見せてくれるのか。「神様」と世界から言われていようが、僕は監督のZicoは認めたくない。電光掲示板を見ると、リバプールとアーセナルは同点になっている。チェルシーの攻撃がまたしても勢いを増す。Drogbaが二人の選手を背負いながら、楔となっていきなり反転してシュート。惜しくもキーパーのまん前にボールが飛んだ。実物のDrogbaは、やはり動物のようだ。チェルシーのサポーターはちょっとでも後ろの自陣で消極的にパス回しをすると、一斉にブーイングを浴びせる。ここが日本のサポーターと決定的に違うところだ。
57分、チェルシーはBellettiを下げて21番Salomon Kalouが入る。フェネルバフチェもClaudio Maldonadoを下げて、9番のMateja Kezmanを入れる。Kalouがよく動いてかき回す。
71分、絶好の位置でフリーキックをチェルシーが得る。キッカーはLampard。ネットはゆれなかった。また、Zicoが動く。23番のSemith Senturkを下げてUqar Boralを入れる。
77分、Drogbaが倒されてまたしてもフリーキックをチェルシーが得る。Drogbaが自ら蹴る。が、フェネルバフチェのキーパーの好セーブに阻まれる。
80分、交代したばっかりのフェネルバフチェのBoralがいいボレーシュートを打つも、今度はチェルシーのキーパーが好セーブ。
81分、Joe ColeがFlorent Maloudaと交代する。
残り時間もあと僅かだ。
1-0で逃げ切れるかと思った瞬間、Essienがサイドラインのギリギリのところで、トリッキーに球を浮かしてフェネルバフチェのDF二人を抜けきって、低くて速いセンタリングをゴール前ギリギリに入れる。猛スピードで走りこんできたLampardが簡単に足をあわせて2点目が入る。まるで針の穴を通すようなセンタリングに鳥肌がたった。
電光掲示板を見ると、なんとリバプールが追加点をもぎ取っていた。3-2でリバプールが逆転だ。次は、恐らくチェルシーとリバプールになる。それにしても、Fernando Torresらの勢いは凄い。Zicoが最後のカードを切ってきた。が、もうフェネルバフチェにゴールする力は残っていない。ジョーカーのつもりなのだろうけど、2点差でロスタイムは2分ちょっとしかないのだ。Zicoはオーストラリア戦から何も変わっていない。リバプールに追加点がさらに入る。リバプール強し。これで4-2だ。後半の残り5分間で2点とったことになる。次は、リバプール戦で決まりだ。

翌日の現地新聞。
チェルシーの視線は早くもリバプールに向いている。因縁の相手にリベンジできるか。
チェルシーの黒人選手というと、Drogbaが代表的な選手であることは間違いない。が、EssienやKalouなども実際に見るとすさまじい選手だった。とにかく攻撃のときのスピードがハンパじゃない。こういった有望な黒人選手はアフリカのフランス語圏に多くいて、フランスの多くのクラブが若いうちから安く仕入れている。フランス代表チームを見るとわかるが、あれはフランス代表であって実際はアフリカ代表のようなものだ。そして、金融セクターを中心にオイルマネーで潤う英国がその選手を高く買うという構図が今の欧州経済をそのまま反映しているようにも見える。アブラモビッチがチェルシーを買収したときは、拝金主義等とかと揶揄されてきたが、今は本当に成熟したチームとなっている。モウリーニョ監督が去ったチェルシーは、今やオトナのチームに変わっていた。巷で噂されているように、モウリーニョがもしインテルの監督になったら、CLでチェルシーと戦う試合が今度は是非見てみたい。
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カテゴリー:サッカー観戦記