ユベントス対インテル・ミラノ@トリノ観戦記
2007年12月01日 (サッカー観戦記)

寄稿者 / マスターピース・グループ Ruba Cuore

例年に比べると気持ち悪いほどミラノは暖かい。これも所謂‘地球温暖化’のせいなのだろうか。先週自宅で観たゴア氏の「不都合な真実」を思い出す。とはいえ、ナイトゲームは絶対に冷え込むはずだ。そもそも今晩の試合は13:30キックオフだったのが、いきなり19:30に変更された。イタリアらしいと言えばそれまでだが、本当にこの国はいい加減だ。観光で滞在するなら申し分ないが、仕事とかで住むとなったら耐えられないに違いない。18時過ぎにトリノにつく。試合開始は20:45。未だ時間はたっぷりある。昨日は、「ACミラン」と「トリノ」の試合をテレビで観た。決定的な場面でインザーキが外し、結局結果は0対0。インザーキはきっと以前のように思い通りのプレイが出来なくなっていることを自覚しているに違いない。カズと同じかもしれない。「トリノ」といえば、大黒選手。勿論、彼は試合に出ていない。選手は試合に出てナンボなハズ。移籍は、本当に難しい。レッズの長谷部は大丈夫だろうか。

試合前のピッチの風景
試合前のピッチの風景。
選手はただでさえナーバスになる時間だが、こういう重要な試合になればなおさらだろう。

「ピアッツア・サンカルロ」周辺をぶらつく。
既に酔っ払っているユベンティーノと何度かすれ違った。「スタジオ・オリンピコ」に向かう。ユーベの本拠地だ。スタジアムの回りは目つきの悪い黒い服装のユベンティーノしかいない。「サンシーロ」などとは明らかに雰囲気が違う。「イタリアン・ダービー」といわれるユーベ対インテル。何故「イタリアン・ダービー」という名称なのにACミランではないのだろうか。

インテルはイブラモビッチとクルスのツートップ、ユーベはトレセゲのワントップで試合開始。当然、インテルは勝って首位を維持したい。ユーベも首位争いに踏みとどまりたいところだ。スタジアムは異様なほどに盛り上がっている。

前半11分、2回目のコーナーキックをフィーゴが蹴ってクルスがヘッド。
ゴールの枠内にボールは行かない。すぐさま、フィーゴがファールを誘う。フィーゴはキレテいる。凄いブーイング。本当にこのスタジアムは、身の危険を感じるほど危ない。

23分、フリークッキをデルピエロが蹴る。
が、ブラジル代表のジュリオ・セザールがセーブ。ユーベが押し気味に試合を進めている。が、攻めの形になっているのはむしろインテルのほうだろう。他の選手よりも頭ひとつでかいイブラモビッチが前線で張っている。ジュリオセザールはユベンティーノを挑発するかのような行為を繰り返す。激しいブーイングが容赦なく彼に突き刺さる。今晩もしインテルが勝ったら、恐らく殺人一歩手前の事件が起こるに違いない。と、思っていた矢先に、クルスが一瞬のすきをついてゴール!!インテル先制。ちょっとユーベは前かがりになりすぎていたかもしれない。

ユベントスのサポーター
ユベントスのサポーター。
それはもはや、「応援」の域を超えインテルへの「怒号」「脅迫」といってもよかった。

四隅の端っこに押しやられているインテリスタのエリアから発炎筒が炊かれた。ユベンティーノが爆竹をインテリスタ内のエリアに投げ込む。もの凄い音。何人かは絶対鼓膜が破けているはずだ。インテルが攻め続ける。右サイドのフィーゴとマイコンのコンビが非常にいい。

53分、トレセゲにいいパスが通りシュート。が、外れる。
トレセゲはアンリにはなれない。ユーベはインテルの固い守りを崩せない。

56分、ネドベドとフィーゴが激突。ネドベドにイエローが出た。
フィーゴは倒れたままで起き上がれない。大量の発炎筒がインテリスタに投げ込まれていた。よく観ると、数列の座席が燃えている。完全にユベンティーノは、イっちゃっている。

60分、ネドベドに変わってイアインタが入る。
フィーゴの足はかなりやばそうで、結局交代。30歳代の選手が次々にピッチをあとにする。恐らく数日後のCLのCSKAモスクワ戦にフィーゴは出れないだろう(その後、フィーゴの骨折が判明)。どうしても勝ち点が欲しいユーベ。後半も前半同様リスクを負って攻め続ける。が、現在リーグ最小失点を誇るインテルの分厚いディフェンスの前にことごとく跳ね返される。

64分、クルスに変わってスアゾが入る。
私はこの選手を昨年のCLリーグ戦で見て以来、非常に期待している。とにかく足が速くて、身体能力の塊みたいな選手なのだ。早速スアゾはユーベの4人の選手を引き連れながらもゴール前でイブラフモビッチへナイスパス。しかしブッフォンがナイスセーブ。スアゾとイブラモビッチの二人だけでゴールまでもっていける。この破壊力が今のインテルの強さなのかもしれない。

69分、デルピエロに変わってカモラネーゼが入る。
個人的な意見だが、デルピエロは前半から使うのではなく、後半ジョーカーで使ったほうがいいように思う。マンチーニ監督に聞いてみたい。

77分、中央でボールを受けたカモラネージがシュート!
これがディフェンダーのサムエルにあたってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。インテルのディフェンダーがゴール前に固まりすぎていた。ユーベが1点とって試合が振り出しに戻った。怪我から復帰したカモラネージは途中出場ですぐさま結果を出したことになる。ユベンティーノの興奮ぶりは一向に冷めない。

インテルが最後の力を絞って攻める。
サネッティーがフリーキックをとる。スアゾも走りまくってゴール前に突進する。が、どれも得点には結びつかない。結局、スコアは動かず両者痛みわけ。

インテルの強さが今日は光った。
アウェイの異様な雰囲気の中で普段とは違うカウンター狙いのゲーム展開を徹底したことは見事と言える。決定機もユーベを上回っていたはずだ。

トリノの「敵」を掲載した現地の新聞
トリノの「敵」を掲載した現地の新聞。

興奮しているユベンティーノに襲われないように走ってスタジアムを後にした。昨日のオッズだと、インテルの勝利が40%、引き分けが30%だったことを思い出す。売店でユーベのイタリアンカラーのマフラーを買った。売店のおばちゃんに僕の友人がインテルのグッズはないか、と聞いたら、「インテリスタに売るものは何一つない」と言われたらしい。

時間は、もう夜の23時を回っている。
が、スタジアム周辺のバールはこれから混雑するはずだ。

イタリアの夜は長い。


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カテゴリー:サッカー観戦記

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